利用できる支援・助成

 以下にダウン症児やその保護者が利用できる支援や助成を示します。ただし,各市町村独自の子ども医療費助成制度・小児慢性疾患医療助成制度は生後間もなく申請できますが,その他は,知的障害や身体障害がある程度はっきりしてくる時期(概ね1歳頃)にならないと申請できないようです。
 しかも,お住いの市町村によっては『全ての申請窓口が違う』というとても面倒なことになっています。お役所の縦割り行政あるあるですね。文句を言っても仕方がないので,一つ一つ順に当たっていきましょう。

*岩手県や各市町村のHPより情報を収集し,掲載しています。なるべく正確な情報を発信できるように心がけていますが,情報元が更新されていないなど,最新の情報でない場合があります。詳細は各市町村の問い合わせ窓口にてご確認ください。

ここでは以下の制度について解説しています。

各市町村独自の子ども医療助成制度
小児慢性特定疾病医療費助成制度
特別児童扶養手当
障害児福祉手当
療育手帳
身体障害者手帳
障害基礎年金

各市町村独自の子ども医療助成制度

 各市町村ごとに独自の子ども医療費助成を行っています。以下に各市町村の状況をまとめます。
 給付の方法は,現物支給(窓口負担なし)や償還給付(後日振込にて還付)など,対象児の年齢や受診した医療機関によって異なるようです。詳細は下記問い合わせにご確認ください。

-子ども医療費助成制度一覧- (令和4年1月現在)
市町村 対象年齢 外来自己負担額 入院自己負担額 所得制限 問い合わせ先
大船渡市
陸前高田市
住田町
釜石市
大槌町
0~18歳
0~18歳
0~18歳
0~18歳
0~18歳
なし
なし
なし
1,500/医療機関/月
1,500/医療機関/月
なし
なし
なし
5,000/医療機関/月
5,000/医療機関/月
なし
なし
なし
小学生以上はあり
なし
市民生活部 国保医療課 医療給付係
福祉部 保健課 国保係
町民生活課
市民生活部 市民課 医療給付係
町民課

※ 入院時の食事代、保険適応外の部分などについては、給付の対象となりません。

 各市町村のHPから情報を拾ってみましたが,非常にわかりにくいです。子どもに対する助成制度が2種類あったりして,結局は上記のようになると解釈しましたが,誤解があるかもしれません。正確な情報は直接問い合わせをお願いします。

小児慢性特定疾病医療費助成制度

 治療期間が長く,医療費負担が高額となる特定の慢性疾患,疾病に対する治療費用の助成制度です。ダウン症の診断のみでは利用できず,心疾患や消化器系の疾患,呼吸器系の疾患などの合併があると利用できます。
 ただし,現在は子ども医療費助成制度が充実しているため,利用する必要はないかもしれません。所得制限で市町村の医療費助成が利用できない方は,申請すると良いと思います。また,延長で20歳まで利用できるようなので,18歳以降も医療費がかかりそうな場合も申請すると良いかもしれません。

申請先:各保健所(合同庁舎の中にあります)
・大船渡保健所:大船渡市・陸前高田市・住田町
・釜石保健所:釜石市・大槌町

 *必要書類などは岩手県HPを確認して下さい。

特別児童扶養手当

 知的障害や身体障害がある20歳未満の児童について,その保護者(受給資格者)に手当が支給されます。支給額は,障害の程度によって異なります。また,支給には保護者の所得による制限があります。児童が施設に入所しているなど支給されない条件もあります。

 支給月額額:1級(重度) 52,500円  2級(中度) 34,970円 (令和2年4月より適用)
 支給時期:原則として毎年4月、8月、12月に、それぞれの前月分(4か月分)までが支給されます。
 除外事由
  ・手当を受けようとする父または母及び養育者が,日本に住んでいないとき
  ・児童が社会福祉施設(母子生活支援施設、通園施設を除く)に入所しているとき
  ・児童が障がいを支給事由とする公的年金を受けることができるとき
  ・本人,配偶者,扶養義務者の所得が一定以上のとき

-所得制限の参考値- (単位:円、令和3年8月以降適用)
扶 養
親族等
の 数
受給資格者(保護者)本人 受給資格者の配偶者及び扶養義務者
所 得 額 収入額の目安 所 得 額 収入額の目安
0
1
2
3
4
5
4,596,000
4,976,000
5,356,000
5,736,000
6,116,000
6,496,000
6,420,000
6,862,000
7,284,000
7,707,000
8,129,000
8,546,000
6,287,000
6,536,000
6,749,000
6,962,000
7,175,000
7,388,000
8,319,000
8,586,000
8,799,000
9,012,000
9,225,000
9,438,000


必要書類の例(様式・詳細は各市町村へお問い合わせください)
・認定請求書
・特別児童扶養手当認定診断書
・戸籍謄本(請求者及び対象児童が記載されているもの)
・住民票謄本(請求者及び対象児童の世帯全員が記載されているもの)
・預金通帳(請求者名義のもの)
・振込先口座申出書
・マイナンバーがわかるもの(請求者,児童,配偶者及び扶養義務者のもの)
 (→①マイナンバーカード,②マイナンバー通知カード,③マイナンバーが記載された住民票のいずれか)
・印鑑(認印可)

申請先:市町村
・大船渡市:保健福祉部 子ども課 子ども福祉係  0192-27-3111(内線193)
・陸前高田市:福祉部 子ども未来課 子ども家庭係  0192-54-2111 メールフォーム
・住田町:保健福祉課  0192-46-3862 E-Mail:hoken@town.sumita.iwate.jp
・釜石市:保健福祉部 子ども課 子ども福祉係  0193-22-5121 メールフォーム
・大槌町:健康福祉課(詳細情報得られず)  0193-42-2111

障害児福祉手当

 特別児童扶養手当が保護者に支給されるのに対して,障害児福祉手当は身体又は精神に重度の障害を有する20歳未満の児童本人に対して支給される手当です。身体手帳,療育手帳の等級や,問題行動の有無などによって受給資格の有無を判定されます。

 支給月額額:14,880円 (令和2年4月より適用)
 支給時期:原則として毎年4月、8月、12月に、それぞれの前月分(4か月分)までが支給されます。
 除外事由
  特別児童扶養手当に同じ。

-所得制限の参考値- (単位:円、令和3年8月以降適用)
扶 養
親族等
の 数
受給資格者(児童)本人 受給資格者の配偶者及び扶養義務者
所 得 額 収入額の目安 所 得 額 収入額の目安
0
1
2
3
4
5
3,604,000
3,984,000
4,364,000
4,744,000
5,124,000
5,504,000
5,180,000
5,656,000
6,132,000
6,604,000
7,027,000
7,449,000
6,287,000
6,536,000
6,749,000
6,962,000
7,175,000
7,388,000
8,319,000
8,586,000
8,799,000
9,012,000
9,225,000
9,438,000


必要書類の例(様式・詳細は各市町村へお問い合わせください)
・認定請求書
・障害児童手当認定診断書
・戸籍謄本(対象児童が記載されているもの)
・住民票謄本(対象児童の世帯全員が記載されているもの)
・障害児福祉手当所得状況届
・預金通帳(障害児本人名義のもの)
・振込先口座申出書
・マイナンバーがわかるもの(児童,配偶者及び扶養義務者のもの)
 (→①マイナンバーカード,②マイナンバー通知カード,③マイナンバーが記載された住民票のいずれか)
・印鑑(認印可)
・保護者の本人確認ができる書類

申請先:各市町村
・大船渡市:保健福祉部 地域福祉課 障害福祉係  0192-27-3111
・陸前高田市:市役所(詳細情報得られず)  0192-54-2111
・住田町:保健福祉課  0192-46-3862 E-Mail:hoken@town.sumita.iwate.jp
・釜石市:保健福祉部 地域福祉課 障がい福祉係  0193-22-0177 メールフォーム
・大槌町:町役場(詳細情報得られず)  0193-42-2111

療育手帳

 知的障がいのある方が,さまざまな制度やサービスを利用しやすくすることを目的としたものです。障害の程度によって岩手県ではA判定・B判定の2種類に区分されており,段階によって受けられるサービスが決まっています。

交付を受けることで得られる可能性のある主なメリット
・特別児童扶養手当・障害児童福祉手当申請時の診断書提出の省略
・所得税,住民税の障害者控除(A判定の場合は,特別障害者控除)
  所得控除の額(所得税/住民税):障害者控除(27万/26万) 特別障害者(40万/30万) 同居特別障害者(75万/53万)
・自動車税の減免
・公共交通機関の割引
・携帯基本料の割引
・博物館,水族館などの公共施設の割引
・NHK受信料の減免

新規申請の流れ
・一関児童相談所(気仙地域)または宮古児童相談所(釜石地域)で判定を受ける(要予約)。
  乳児などあまりに幼いと,判定が保留されることもある。
  年6回程度の巡回相談もあり,各市町村でも受けられる(申請先にて要予約)。
・療育手帳に該当すると判定されると,嘱託医の診察がある。
・各市町村窓口で申請。
・沿岸広域振興局本局(釜石合同庁舎)で交付。
・市町村窓口を通じて受取。

必要書類の例(様式・詳細は各市町村へお問い合わせください)
・新規申請書(各市町村窓口)
・顔写真1枚(縦4センチ、横3センチ)
・印鑑

申請先:各市町村
・大船渡市:保健福祉部 地域福祉課 障害福祉係  0192-27-3111
・陸前高田市:市役所(詳細情報得られず)  0192-54-2111
・住田町:保健福祉課  0192-46-3862 E-Mail:hoken@town.sumita.iwate.jp
・釜石市:保健福祉部 地域福祉課 障がい福祉係  0193-22-0177 メールフォーム
・大槌町:町役場(詳細情報得られず)  0193-42-2111

身体障害者手帳

 視覚,聴覚,肢体不自由,心臓や消化器の障害,疾患などがある人が,さまざまなサービスや制度を利用するためのものです。障害の程度によって1~6級に分類され,受けられるサービスに違いがあります。
 ダウン症の場合は,重度の身体合併症がある場合に交付を受けることができます(例:心疾患,視覚・聴覚の障害など)。
 メリットや申請窓口は療育手帳に準じます。

障害基礎年金

 成人期以降は,基準以上の知的障害と認定されると障害基礎年金が受給できます。本来,障害基礎年金の受給には発症日の確定が必要で,その発症日まで年金を納めていることが条件になりますが,ダウン症は先天性疾患であるため,出生時が発症日とされ,当然年金の支払い義務もありませんので,20歳になったと同時に受給資格が得られます。その代わりに本人の所得制限がありますが,多くの方は制限にかかることはないと思われます。

受給年額:1級 976,125円  2級 780,900円(令和3年4月分から)
認定基準(参考:厚労省HP
・1級:意思疎通が困難で常に誰かの援助がなければ日常生活がおくれない方
・2級:日常生活に支障が出ている方
 具体的には,「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が平成28年9月に発表され,この等級判定ガイドラインによると,診断書の記載事項である「日常生活能力の判定」及び「日常生活能力の程度」に応じて等級の目安が定められています。

必要書類の例(様式・詳細は各市町村へお問い合わせください)
・医師の診断書
・病歴・就労状況等申立書
・受取先金融機関の通帳等(本人名義)
・身体障害者手帳・療育手帳(交付されていれば)

申請先:各市町村
・大船渡市:市民生活部 国保医療課 国保年金係  0192-27-3111
・陸前高田市:市民協働部 市民課 登録係  0192-54-2111
・住田町:町民生活課 生活係  0192-46-2111 E-Mail:hoken@town.sumita.iwate.jp
・釜石市:市民生活部 市民課 国保年金係  0193-27-8450 メールフォーム
・大槌町:町民課 国保年金班  0193-42-8713